▷院長ブログ「[院内勉強会]男性型脱毛症(AGA)の治療薬「ザガーロ®」」2019/8/7(水)
男性型脱毛症(AGA)
AGA(エージーエー)とは男性型脱毛症のことです。当院ではAGA治療薬(商品名:ザガーロ)の処方による診療を行っております。
男性における男性型脱毛症のみであり、女性の脱毛や円形脱毛症などの他の脱毛症には効果はありませんのでご注意ください。
事前に予約の必要はありません。AGA治療薬は健康保険適応外(自費診療)になります。
AGAは進行性ですから何もしないでいると徐々にうす毛が目立っていきます。進行を抑えるためには早めのケアが大切です。うす毛・ぬけ毛が気になっているなら、あきらめる前に当クリニックに相談してみませんか?
思い立ったら遠慮無くお気軽にご来院ください。AGA治療は男性にとって大変デリケートな悩みかと思いますので、当クリニックの医師が親身にご対応いたします。
クリニックに来院するのに抵抗がある方は、オンライン診療でも診察や薬を購入することができます。
ザガーロとは
ザガーロとはグラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)が2015年9月28日に厚労省から製造販売承認を取得し2016年6月13日に発売開始された男性型脱毛症(AGA)治療薬です。カプセル錠で規格は『0.1mg』と『0.5mg』の2種類があります。
一般名はデュタステリドカプセルですので既に前立腺肥大症治療薬として2009年に厚労省から認可を得ている「アボルブカプセル」とは商品名とカプセルの色が違うだけで中身は同一ということになります。
ザガーロの効果・効能
臨床試験成績により有効性と安全性が確認されたのは、男性における男性型脱毛症のみであり、女性の脱毛や円形脱毛症などの他の脱毛症には効果はありませんのでご注意ください。20歳以下の方には臨床試験を行っておらず、安全性と有効性は確立しておりませんので処方できません。
MSD社のプロペシアやファイザー社のフィナステリド錠の添付文書にある「効果・効能」は【男性における男性型脱毛症の進行遅延】に対して、ザガーロカプセルの添付文書では【男性における男性型脱毛症】という表記がされています。『進行遅延』があるかないかの違いですが、ザガーロは臨床試験にて発毛・増毛の効果検証が詳しくなされているため『進行遅延』だけに止まらず『発毛』を期待させるような『進行遅延』というワードの無い表記となっているところも注目すべき点ではあります。
ザガーロの特徴
作用機序は、AGAの原因であるDHTを生成するのに必要不可欠な5α-還元酵素(5α-リダクターゼ)を阻害することでDHTの生成を抑制しAGAを改善します。この5α-還元酵素にはⅠ型とⅡ型があり、フィナステリドはⅡ型しか抑えることができないのに対してデュタステリドは、Ⅰ型とⅡ型の両方の働きを抑えることができるので、プロペシアよりもDHTの生成をより強く抑えられることから効果の期待度も高いとされている点が最大の特徴です。
ザガーロの処方について
- 保険証や身分証の提出は必要ありません。
- 予約は必要ありません。診療時間内に直接ご来院下さい。
- 処方の単位は30錠ずつとなります。(製造販売元であるグラクソ・スミスクライン社が1箱30錠包装の規格しか製造していません)
- AGA治療薬を薬局で受け取る必要はありません。診察後、当クリニック内にて正規品をお渡しいたします。
費用
ザガーロ 0.5mg 30カプセル 12,500円(税込)
※ 初回のみ相談料(3,000円)をいただきます。
ザガーロの使用上の注意点
- 1日1カプセル服用するお薬で食前食後関係ありません。しかし24時間置きに服用することが望ましいため服用するおおよその時間は決めておいて下さい。
- 円形脱毛症や抗がん剤などの薬物が原因での脱毛症には適用がありません。
- 未成年には処方はできません。安全性が確立されているのは20歳以上のためです。
- 妊婦、産婦、授乳婦、小児が服用することのないように注意して下さい。妊娠中の女性がザガーロを体内に取り込んでしまうと男性胎児の生殖器官などに影響を及ぼすおそれがあります。
- 本剤は経皮吸収されることから、妊婦、産婦、授乳婦、小児がカプセルから漏れた薬剤に触れることのないようにしてください。漏れた薬剤に触れた場合には、直ちに石鹸と水で十分に洗ってください。
- 効果が出る時期は個人差があります。効果があるかどうかの判断は最低でも6ヶ月間の服用は必要です。6ヶ月服用しても効果が見られない場合は服用を中止した方が良いです。
- 併用禁忌薬はありませんが併用注意薬はあります。
- 服用中は献血をしないで下さい。ザガーロの有効成分であるデュタステリドは服用を止めた後も血清中薬物濃度が下がるのが遅いので6ヶ月間は献血を避けてください。(プロペシアは1ヶ月間)
- ザガーロを服用中に前立腺癌の検査で指標となるPSA(前立腺特異抗原)値を測定する時は担当医に服用していることを期間も含めて必ず報告して下さい。6ヶ月以上の服用で測定したPSA値を半分まで下げてしまうので測定値を2倍した値を目安にする必要があるためです。服用を中止して半年以上経過していれば報告はしなくても問題ありません。
- カプセルの中から薬剤を取り出して飲むことは禁止です。取り出した薬剤の成分が空気中に飛散し、それが女性の体内に吸収されることがあるからです。
- 服用を続けることによって体内に抗体ができて薬の効果が得られなくなるようなことはありません。
- 服用を止めても急速な脱毛(リバウンド脱毛)はありません。
- 副作用として勃起不全・射精障害・性欲減退・乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)・胃腸障害などがあります。
ザガーロカプセル0.5mgの使用期限
ザガーロカプセル0.5mg使用期限は36ヶ月です。製造から36ヶ月(3年)ですので各医療機関に納品されるのは、製造から3ヶ月以上は経過していることを考えると、使用期限は処方から約2年6ヶ月~10ヶ月くらいとお考え下さい。室温保存です。ザガーロカプセル0.1mg使用期限は30ヶ月です。