▷院長ブログ「[院内勉強会]肥満・耳鳴りに有効な漢方薬🌱」2019/8/20(火)
▷院長ブログ「[院内勉強会]めまい・ふらつき・夏バテに有効な漢方薬🌱」2019/6/11(水)
漢方薬外来
漢方薬をはじめる方へ
現在は約100種類以上の効果が証明された医療用漢方薬が存在し、当クリニックでは、ツムラ・クラシエなどの漢方薬専門企業と連携し各種漢方薬を取りそろえております。同じ症状に対しても有効な漢方薬がいくつも存在します。そのなかでおひとりおひとりの体質にあった最適な漢方薬を選んで処方していきます。
漢方薬を服用する方のなかには、すぐに効果を実感できる方もいらっしゃるのですが、継続して服用してもなかなか効果が現れない方もいらっしゃいます。そのため、定期的に通院していただき、その効果、症状・心身状態の変化をしっかりと観察し、適宜処方を調整していくことが大切なのです。漢方薬は、数種の漢方薬を組み合わせることで、効果、効能が何倍にも跳ね上がります。
当クリニックでは、この東洋医学的診断に加え、尿検査、血液検査などの西洋医学的な検査も組み合わせ、その方の体質、現在の健康状態を詳しく診断した上で、処方する漢方薬を適宜調整していきます。定期的な検査を組み合わせることで、より高い治療効果を期待することもできるのです。
漢方薬は健康保険がきくことをご存知ですか?
漢方薬には健康保険が適用されるため、保険の負担分のみで治療を受けることができます。保険適用の漢方薬は、各メーカーが厳選した高品質の原料を使用し、有効成分のみを抽出して粉末にしています。
漢方薬での治療経験がない方、漢方薬は高額だと思っている方、また苦くて飲めない、それほど効果がない、即効性があまりないなどと思われている方が少なくないのではないでしょうか。医療用漢方薬に関しては、その有効性がまだまだ多くの方に知られていないのが現状です。
漢方薬は1ヶ月分でも2,000円~3,000円程度(目安)で処方可能です。診察や検査料を併せても、比較的負担が少なく治療を継続できます。慢性的な症状の長期治療にも、副作用が少なく長期間安心して続けていくことが可能です。
日本の漢方医学は中国より8世紀に到来し、その歴史は1200年以上です。1976年に保険適用が開始され、医療用漢方薬は40年以上の歴史があります。医療用漢方薬の特徴は、原料の『生薬』から有効成分を壊すことなく抽出し、濃縮・乾燥させ粉末・錠剤といった飲みやすい形態となって提供されている点です。原料から直接煮出す煎じ薬と同じ効果を、手軽に、且つ効果的に得ることができるとても優れたお薬です。
漢方薬の有効性
慢性的な片頭痛、腰痛、足の冷え、足がつる、疲労・虚弱(フレイル)、体がだるい、食欲がない、不眠、肌荒れ、ニキビ、アレルギー、花粉症、便秘、下痢など原因が特定しにくい症状に対して漢方薬は有効です。女性の更年期障害に有効な漢方薬もあります。副作用の少ない漢方薬による治療を希望する方、どんな病気、どんな症状でもまずご相談下さい。
「疲れがとれない」「やる気が出ない」のはフレイルが原因かも
肥満体質改善に有効な漢方薬
肥満体質を改善する漢方は、ぽっちゃり色白の水太りタイプ(防巳黄耆湯®)、おなかが気になる脂肪太りタイプ(防風通聖湯®)、がっちりたくましい固太りタイプ(大柴胡湯®)とあります。患者さんそれぞれの肥満のタイプを見極め、体質や生活習慣などお聞かせいただいた上で、お一人お一人に合った漢方薬をお選びします。
更年期障害に有効な漢方薬
ひとことで更年期障害といっても、冷え症の虚弱タイプ(当帰芍薬散®)、イライラや不安が気になるタイプ(加味逍遙散®)、ほてり・のぼせが気になるタイプ(桂枝茯苓丸®)とあります。患者さまがどのような症状でお困りか、それぞれの体質も見極めて処方するお薬を決定します。
冷え症に有効な漢方薬
患者さまそれぞれの冷えのタイプ、虚実の判定をし、お薬を決定します。
かぜに有効な漢方薬
かぜには多くの漢方薬が使われるのですが、初期・中期・回復期という進行段階と、最も気になる症状によってお薬を選びます。
- ゾクゾクする寒気や、背中から肩にかけてのこわばり、頭痛、筋肉痛・関節痛という症状には、からだ本来の生体防御機能を助ける「葛根湯」が有効です。
- くしゃみ、ゼーゼーする咳があり、サラサラした鼻水がでる場合は、からだの水分バランスを調整し、余分な水分を出してくれる「小青竜湯」が有効です。
- 微熱、はき気・食欲不振、腹痛など、風邪の後期症状には消化器の症状を改善してくれる「柴胡桂枝湯」が有効です。
耳鳴りに有効な漢方薬
耳鳴りに対する有効な漢方薬には、胃腸障害を伴う症状に向いている柴苓湯®と、高齢の方や虚弱体質の方、手足の冷えを伴う症状の場合にお勧めできるウチダの八味丸M®があります。患者さんの耳鳴り以外の症状をうかがいながら、合ったお薬を選択いたします。