▷院長ブログ「[院内勉強会]下垂体性巨人症・先端巨大症の治療薬💊」2019/5/29(水)
脳下垂体疾患外来
院長の阿部は、脳神経外科を志して以来、30年以上にわたり、ライフワークとして下垂体腺腫の診断と治療さらに研究に取り組んで参りました。下垂体腺腫に対する治療経験は豊富であり、手術経験は1000例を超えており、その成績も上々であったと自負しております。クリニック勤務となった今でも日本間脳下垂体腫瘍学会の理事をつとめ、後輩脳外科医の育成に努めております。その豊富な治療経験に基づいて脳下垂体疾患のあらゆる悩みの相談をお受けしています。脳下垂体疾患のセカンドオピーニオンも大歓迎です。脳下垂体のMRIは関連施設で行います。手術や定位放射線治療などが必要になった場合は、より専門性の高い医療機関・医師をご紹介申し上げます。お気軽にお尋ねください。
脳下垂体疾患の薬物治療やホルモン補充療法も実施しています。
プロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)に対するカベルゴリンを用いた薬物治療、ACTH産生下垂体腺腫(クッシング病)に対するメトピロンカプセルを用いた薬物治療、成長ホルモン産生下垂体腺腫(先端巨大症や巨人症)に対するオクトレオタイド(サンドスタチンLAR)やランレオチド(ソマチュリン)の注射なども行っております。ただし、成長ホルモンの注射は高価なお薬なので来院するときにあわせて取り寄せになります。3~6か月ごとに採血し血液中のプロラクチン値、ACTH値・コルチゾル値、成長ホルモン値・IGF-I値を測定し治療効果を判定しています。それらの測定値に応じて薬剤量の調整を行います。
汎下垂体機能低下症に対するホルモン補充療法(コートリル・チラーヂンSなど)を行っています。中枢性尿崩症に対してはミニリンメルトの内服やデスモプレシンの点鼻などを行っています。また、成人の成長ホルモン分泌不全症の患者さんには成長ホルモン補充療法(在宅での自己注射)を実施しています。6か月ごとに採血し血液中のコルチゾル値、甲状腺ホルモン値、成長ホルモン値などを測定し、その値に応じて薬剤量を調整しています。男性ホルモンである血液中のテストステロン値を測定し、低値であった場合、テストステロンの補充療法(注射)を2週間~1か月間隔で実施しています。ただし、男性ホルモンの注射は来院するときにあわせて取り寄せになります。すべて健康保険適応です。
下垂体腺腫は特定疾患(難病)に指定されており、所定の手続きを踏めば、医療費の助成が受けられます。下垂体腺腫より生じた汎下垂体機能低下症も同様に医療費の控除が受けられます。お気軽にご相談下さい。
居住地所轄の保健所の「特定疾患に対する医療費助成の申請」に係わる窓口にお問い合わせいただき、速やかに、医療費助成のための手続きをお取り下さい。
なお、実際の手続きにあたっては、様々な条件を満たすことが必要とされますので、必ずしも医療費助成の対象とはならない可能性もあります。
ホームページに具体的な手順などが公開されておりますので、ご参照下さい。