2020/10/28(水)
みなさん、こんにちは。しばらくぶりのブログです。もうすぐ10月も終わりですね。昨年はクリニックでハロウィンイベントをしていたのですが、今年はコロナウイルスの影響もあってできませんでした。残念です。12月のクリスマスツリーは、今年も飾ろうと思います。
さて、先日、製薬会社の方に向けて、講師として社内勉強会を行いました。テーマは「脳卒中にならないための注意点-予防の大切さ-」です。何回かブログでも書いてきましたが、僕は、脳神経外科医として⻑く過ごす中で、できる限り脳卒中にならないように予防をすることの大切さを痛感してきました。脳卒中になってしまうと、一生懸命にリハビリをされて社会復帰される方もいらっしゃいますが、多くの方は元どおりの生活に戻ることができません。発症された患者さんやご家族に伺うと、ほとんどの方が「ちゃんと毎日薬を飲んでいたのに」とおっしゃいます。しかし、通院されている際の様子を伺うと、血圧のデータも見せずに「変わりはないですか?」「特にないです」と言って薬をもらっていただけで、実際に血圧がコントロールされていなかったと言うケースも見受けられるんです。
脳梗塞や脳出血は、寝ている時や朝方にも起こります。朝飲んだ薬の濃度は体の中で時間とともに薄らいでいき、次の日の朝、薬を飲む前に、もっとも体内の薬の濃度が低くなっているため、効き目も弱くなっています。そのため、血圧であれば朝の内服前の、薬があまり効いていない時に測っておくことが大切で、その血圧を目安に薬の強さを調整していく必要があるのです。患者さんは、薬が効いている日中の血圧を見て、血圧がコントロールされていると安心してしまっているんですね。
僕は、血圧の薬を処方している患者さんには、おうちで血圧計を買ってもらって、朝薬を飲む前の血圧を測ってもらっています。「忙しい朝に血圧測る暇なんてないよ」と言う方は、毎日でなくても構いません。ですが、脳卒中になって苦しんでいる患者さんをたくさん見てきた脳外科医として、かかりつけ医として診ている患者さんには、できる限りのことをさせていただきたいと思っています。面倒だと思っても、ぜひ、お付き合いくださいね。